14.2 多元接続通信路の容量領域

14.1 節は入力分布の対を一つ固定して,そこから五角形を作った.と入力分布の対がどれも全点で正なら,14.1 節で借りた 多元接続通信路の達成可能性 により,その五角形の内側の対はどれも達成可能である.固定を外すと届く先は広がる.入力分布の対を取り替えれば別の五角形が出るからというだけではない.二つの符号を時間で分けて使えば,二つの五角形から一点ずつとった対の中間にも,いくらでも近いところまで届いてしまう.

本節は,この広がりを二つの操作で言い当てる.一つは時間で分ける操作で,レート対の凸結合を作る.もう一つは極限をとる操作で,境界に届く対を拾う.が全点で正のとき,容量領域と第一象限の共通部分は,ちょうど五角形の合併の閉凸包になる.

平面の閉集合と閉包の基本性質を借りる. の部分集合についての次の三つを既知とする.第一に,閉集合の族の共通部分はふたたび閉集合である.したがってに対し,を含む閉集合すべての共通部分はを含む最小の閉集合になる.これを閉包 と呼びと書く.第二に,が閉集合であることと,の点からなる収束列の極限がつねにに属することとは,同じことである.第三に,の点はどれもの点からなる収束列の極限として書ける.本節から先,容量領域や内界・外界を閉包で定めるところも,それらについての証明も,この宣言の意味で閉包を使う.

容量領域と閉凸包

定義 14.2.1(容量領域). を多元接続通信路(定義 14.1.1)とする.達成可能なレート対(定義 14.1.3)全体の集合をと書き,その閉包

C(𝑊):=――――A(𝑊)

容量領域 と呼ぶ.

そのものではなく閉包を容量領域と呼ぶのは,達成可能性が与えるのがつねに「不等式が真に成り立つ側」だからである.14.1 節で借りた形がまさにそれで,五角形の境界の上の対については何も言っていない.境界の対が一つずつ達成可能かどうかを問うかわりに,極限で届く対まで含めて領域と呼ぶ.第6章も同じところで手当てをしていて,達成レートの集合定義 6.2.2)そのものではなく,その上限が容量に一致することを主定理にしていた(定理 6.4.9).答えが 1 つの数から対の集合に変わったぶん,上限をとる操作のかわりに閉包をとる操作が出てくる.

形式化: macCapacityRegion (ソース)

定義 14.2.2(閉凸包). に対し,を含む閉凸集合すべての共通部分を閉凸包 と呼び,と書く.

自身がを含む閉凸集合なので,共通部分をとる先の族は空でない.借りた 平面の閉集合と閉包の基本性質 の第一が閉包に与えた作り方と同じで,集める集合に凸という条件を足しただけである.

時分割

記号を一つ引いておく.実数に対する床関数,すなわち以下の最大の整数と,その性質は,第12章 12.5 節で既知としたとおりに本節でも使う.

命題 14.2.3. を多元接続通信路(定義 14.1.1)とする.その容量領域定義 14.2.1)は閉集合であり,かつ凸集合である.

証明. 閉であることは定義から出る.の閉包であり,平面の閉集合と閉包の基本性質の第一により閉包は閉集合である.

凸であることを二段に分けて示す.第一段では,達成可能な二つの対の凸結合に真に下から近い対が達成可能であることを見る.すなわち,が達成可能で,と実数の対𝑗 =1,2)を満たすなら,は達成可能である.

はじめに,達成可能性が成分について単調であることに注意する.が達成可能でなら,定義 14.1.3 が与える符号がそのままについての条件を満たす.これでの場合は済むので,以下とする.

をとる.達成可能性を目標の誤り確率に対して二つの対それぞれに使い,の側で得られる長さの下限をの側のものをとする.長さに対しとおく.床関数の性質よりであり,だからかつである.よって,あるから先のすべてのがともに成り立ち,しかもはどちらも以上である.

そのようなを一つとる.長さの多元接続符号で𝑗 =1,2)と平均誤り確率未満を満たすものと,長さの多元接続符号でと平均誤り確率未満を満たすものをとる.この二つを時間でつないで,長さの符号を作る.利用者のメッセージを対で番号づけ,その符号語を,前半の符号語のうしろに後半の符号語をつないだものとする.復号器は,受け取ったの前半文字を前半の符号の復号器に,後半文字を後半の符号の復号器に渡し,返ってきた二つの対から利用者ごとに番号を組み立てる.

つないだ符号のメッセージ数はだから

1𝑛log𝑀𝑗=𝑛𝑎𝑛1𝑛𝑎log𝑀𝑎𝑗+𝑛𝑏𝑛1𝑛𝑏log𝑀𝑏𝑗𝑛𝑎𝑛𝑎𝑗+𝑛𝑏𝑛𝑏𝑗

である.誤り確率のほうは,定義 14.1.1 の積の形により,前半文字の出力の分布が前半の入力だけで決まる長さのものになり,後半についても同様で,しかも二つは独立である.つないだ符号が誤るのは前半か後半の少なくとも一方で誤るときだから,どのメッセージの対についても誤り確率は二つの符号の対応する誤り確率の和以下である.メッセージの対について平均すると,前半の平均誤り確率と後半の平均誤り確率の和で抑えられるので,である.

最後にを大きくする.かつだから,上の右辺はに収束する.はこの値より真に小さいので,を大きくとり直せば,を満たすすべてのの両方について成り立つ.に対するとしてこのがとれたから,は達成可能である.

第二段で凸性を出す.𝑥の点,とし,とおく.平面の閉集合と閉包の基本性質の第三により,の点からなる列となるものがとれる.に対し

𝑧(𝑘):=𝜆𝑎(𝑘)+(1𝜆)𝑏(𝑘)(1𝑘,1𝑘)

とおくと,成分ごとにだから,第一段よりは達成可能である.いっぽうである.でありは閉集合だから,平面の閉集合と閉包の基本性質の第二により極限に属する.

形式化: 閉であること mac_capacityRegion_isClosed,凸であること mac_capacityRegion_convex (ソース)

第一段が時分割である.回の使用のうち先頭の割を一つ目の符号に,残りを二つ目の符号に割り当てた.2 人が同じ割り当てを知っていることは要る(そうでなければ後半の符号語を前半に送ってしまう)が,互いのメッセージを知る必要はないので,定義 14.1.2 の枠の中に収まっている.レートが凸結合になるのは,メッセージ数が掛け算で増え,対数が足し算に変わるからである.誤りのほうは足し算のまま増えるので,目標を半分ずつに割っておけば間に合う.

五角形の合併から容量領域へ

道具をもう一つ借りる.五角形の包含,すなわち「どの入力の対がつくる五角形も容量領域に含まれる」という主張である.使う形を書いておく.

を多元接続通信路とし,が全点で正,すなわちがすべての𝑥2 X2で成り立つとする.このとき,上の分布上の分布のどの対についてもである.

当てる対象は 定義 14.1.5 の五角形と 定義 14.2.1 の容量領域だけで,依存するのは 定理 14.2.4 の証明と,14.7 節が借りる Marton の内界の達成可能性 の筋書きである.

借りたままにするので,中で何が起きているかの筋書きだけ書いておく.五角形の内側で両方のレートが正である対は,14.1 節で借りた 多元接続通信路の達成可能性 がそのまま与える.残るのは二つで,一つは五角形の境界と軸の上の対,もう一つは入力分布が全点で正でない場合である.前者は容量領域が閉包であることから拾える.後者は,入力分布を一様分布のほうへわずかにずらして全点で正にし,ずらし幅をに近づける極限で戻す.

本書はこの主張を証明しない.いま述べた二段をどちらも扱わないからである.前者が見かけほど簡単でないのは,五角形が潰れることがあるからである.14.1 節の借用が届くのは両方のレートが真に正である対だけなので,枠の一つがになる入力の対では届く対が一つも無く,境界の対を内側からの極限としては拾えない.出力が一方の入力にしかよらない通信路では,どちらの入力分布を全点で正にとってもこれが起きる.後者,すなわち入力分布をずらして戻す段では,ずらし幅をに近づけたときに三つの枠が連続的に動くことを確かめる必要がある.

形式化: mac_pentagon_subset_capacityRegion_allprob (ソース)

定理 14.2.4. を多元接続通信路(定義 14.1.1)とし,がすべての𝑥2 X2で成り立つとする.このとき

――――conv(𝑝1,𝑝2P(𝑝1,𝑝2))C(𝑊)

である.ここで合併は,上の分布上の分布の対すべてにわたる.

証明. 借りた五角形の包含より,どの対についてもだから,合併もに含まれる.命題 14.2.3 よりは閉集合であり凸集合である.したがっては,定義 14.2.2 で共通部分をとる先の族,すなわち合併を含む閉凸集合の族に属する.共通部分はその族のどの元にも含まれるから,左辺はに含まれる.

形式化: mac_achievability_region_allprob (ソース)

左辺を合併ではなく閉凸包にしてあるのは,時分割で届く対が合併の中に収まらないからである.二つの入力の対をとり,それぞれの五角形から一点ずつ選ぶと,借りた五角形の包含が言うのは二点がに属することまでで,二点を結ぶ線分がどちらかの五角形に入っているとは限らない.その線分がに収まることを与えるのが 命題 14.2.3 の凸性であり,閉凸包はこの線分をはじめから含んでいる.時分割の議論は,命題 14.2.3 の凸性を経由してここで働いている.

容量領域の特徴づけ

逆向き,すなわち容量領域が閉凸包より広くならないことを見る.ここでも道具を借りる.多元接続通信路の逆定理,すなわち「達成可能で第一象限にあるレート対は,五角形の合併の閉凸包に属する」という主張である.使う形を書いておく.

を多元接続通信路とする(全点で正であることは求めない).実数の対定義 14.1.3 の意味で達成可能で,かつなら,

(𝑅1,𝑅2)――――conv(𝑝1,𝑝2P(𝑝1,𝑝2))

である.合併は 定理 14.2.4 と同じく分布の対すべてにわたる.

当てる対象は 定義 14.1.3 の達成可能性と 定義 14.1.5 の五角形だけで,依存するのは 定理 14.2.5 の証明だけである.

借りたままにするので,中で何が起きているかの筋書きだけ書いておく.長さの符号を一つとり,メッセージの対が一様に選ばれるとして,ファノの不等式(定理 1.10.1)を三通りに当てる.利用者 1 のメッセージを利用者 2 のメッセージと出力から推定する形,利用者 2 について同じ形,そして対をまとめて推定する形の三つで,log𝑀1log𝑀2の上界がそれぞれ出る.第6章 定理 6.4.5 と同じように通信路の記憶のなさで時刻ごとにほどくと,右辺は時刻ごとの入力の対が定める五角形の枠の,時刻についての平均になる.平均で抑えられた対を,時刻ごとの五角形から一点ずつとった凸結合として書き直すと,五角形の合併の凸包に入る.最後に誤り確率をに送るとファノの項が消えて,閉包の側に落ちる.

本書はこの主張を証明しない.済ませなければならない段が二つあって,どちらも本書が用意していないものである.一つは時刻ごとにほどく段で,第6章のものをそのまま当てるのでは済まない.あちらは入力が 1 本だったので条件付き相互情報量の和に分ければ終わったが,こちらは三つの不等式それぞれで条件に置くものが違うので,三通りに分け直すことになる.もう一つは,ほどいた先で得られるのが三つの枠の時刻についての平均による評価でしかない,というところである.平均で抑えられた対を,時刻ごとの五角形から一点ずつとった凸結合として書き直す段が要る.書き直せるのは,時刻ごとの三つ組が 命題 14.1.4 の形をしているおかげである.メッセージの対が一様で,各利用者の符号語は自分のメッセージだけで決まるので,時刻ごとの入力の対は独立なのである.

形式化: mac_timesharing_converse (ソース)

定理 14.2.5(容量領域の特徴づけ). を多元接続通信路(定義 14.1.1)とし,がすべての𝑥2 X2で成り立つとする.とおくと

C(𝑊)𝑄=――――conv(𝑝1,𝑝2P(𝑝1,𝑝2))

である.合併は 定理 14.2.4 と同じく,上の分布と上の分布の対すべてにわたる.

証明. 右辺をと書く.

を示す.定理 14.2.4 である.を見るには,が合併を含む閉凸集合であることを言えばよい(定義 14.2.2 の共通部分はその族のどの元にも含まれる).五角形はどれも 定義 14.1.5 の最初の二つの不等式によりに含まれるから,合併もに含まれる.の点の凸結合は成分がふたたび非負だからは凸であり,の点からなる収束列の極限も成分が非負だから,平面の閉集合と閉包の基本性質の第二によりは閉である.

を示す.をとる.定義 14.2.1 よりの閉包だから,平面の閉集合と閉包の基本性質の第三により,達成可能な対からなる列がとれる.各についてとおく.これは三つのことを満たす.第一には達成可能である.定義 14.1.3 はメッセージ数にを求めているのでであり,に取り替えても条件は満たされたままだからである.第二にである.第三にである.実数についてが成り立ち(の大小で場合を分ければ確かめられる),よりだからである.

借りた多元接続通信路の逆定理を各に当てるとを得る.定義 14.2.2 により閉集合の共通部分だから,平面の閉集合と閉包の基本性質の第一により閉集合である.よって平面の閉集合と閉包の基本性質の第二により,極限に属する.

形式化: mac_timesharing_capacity_region (ソース)

定理 14.2.5 が述べているのは,容量領域そのものではなく第一象限との共通部分についてである.定義 14.1.3 の達成可能性は負のレートを禁じていない.レートに求めているのはという下からの不等式だけなので,を負にとれば条件はそれだけ緩くなる.いっぽう右辺の閉凸包は第一象限に収まる.五角形はどれも 定義 14.1.5 の最初の二つの不等式により第一象限に含まれ,第一象限は閉凸集合だからである(定理 14.2.5 の証明の第一段がその確認である).負のレートは符号の取り分としては読めないので,の側を第一象限で切ってから特徴づけを述べている.

例 14.2.6(片方を黙らせる). を多元接続通信路とし,がすべての𝑥2で成り立つとする.を一つ固定し,とおく.これは第6章 定義 6.1.1 の意味の通信路である.に集中した一点分布にとると,上のどの分布についても,命題 14.1.4 の三つ組の三つの量は

𝐼(𝑋1;𝑌𝑋2)=𝐼(𝑝1;𝑊𝑥2),𝐼(𝑋2;𝑌𝑋1)=0,𝐼((𝑋1,𝑋2);𝑌)=𝐼(𝑝1;𝑊𝑥2)

であり,五角形は線分に潰れる.を動かしてこれらを合わせると線分になり(定義 6.1.4 の通信路容量),定理 14.2.5 よりこれはに含まれる.

証明. に集中しているので,三つ組の同時分布はであり,ではである.

まずを見る.を固定すると,条件付き分布のもとでをとる確率がだから,がすべてので成り立つ(では両辺ともではである).命題 1.4.2 の等号条件よりである.

次にを計算する.定義 1.4.1 より,これはについて平均したものであり,重みがでない項はの一つだけである.のもとでのの条件付き同時分布はだから,命題 6.1.3 よりその相互情報量はである.

三つめに移る.対からを先に取り出すチェイン則(定理 1.5.1)でである.は確率をとるから,上と同じ理由でがすべてので成り立ち,命題 1.3.2 の等号条件よりである.対の成分をどちらの順に並べても情報量は変わらないので,である.

五角形の形を見る.三つの枠が0だから,定義 14.1.5 の五つの条件はに同値である(からが出て,和の条件は第 1 の条件に吸収される).

最後にを動かす.どのについてもだから,合わせたものは主張の線分に含まれる.逆に,定理 6.1.5 よりを最大にする入力分布があってだから,の線分が主張の線分そのものである.これは 定理 14.2.5 の右辺の合併に含まれ,定義 14.2.2 で共通部分をとる先の集合はどれも合併を含むから閉凸包も合併を含む.よって 定理 14.2.5 よりに含まれる.

片方の利用者を黙らせると,残った側から見た通信路は第6章の 1 人用の通信路にほかならない.例 14.2.6 は,その容量が多元接続の容量領域のの辺として現れることを言っている.第6章は,こうして領域の一部として読み直せる.黙らせる文字をごとに取り替えれば別のが出るので,辺の長さは黙らせ方のうちいちばん良いものまで伸びる.

形式化上の注記. 例 14.2.6 に対応する単独の宣言はない.片方の入力を一点分布にとった五角形について述べる宣言も,それを第6章の通信路容量と結ぶ宣言も形式化には無く,定理 14.2.5 に紐付けた宣言と,第6章の容量についての宣言を突き合わせて得られる.

本節はここまで,領域を集合の操作だけで書いてきた.最後に,全点で正な通信路を一つとって三つの枠を数で出し,領域の形を見ておく.

例 14.2.7(雑音のある二元加算多元接続通信路). X1 =X2 ={0,1}とし,

𝑊(𝑥1+𝑥2𝑥1,𝑥2)=0.9,𝑊(𝑦𝑥1,𝑥2)=0.05(𝑦𝑥1+𝑥2)

で定まる通信路とする.例 14.1.6 の加算通信路で,出力が確率で残りの二つの値のどちらかに化ける,と読める.このは全点で正である.入力分布をどちらも一様,すなわちにとると,命題 14.1.4 の三つ組について

𝐼(𝑋1;𝑌𝑋2)=𝐼(𝑋2;𝑌𝑋1)=1720+𝐻𝑏(0.05)𝐻𝑏(0.1),𝐼((𝑋1,𝑋2);𝑌)=1740+𝐻𝑏(0.475)𝐻𝑏(0.1)

である(例 1.1.2 の二値エントロピー).五角形定理 14.2.4 よりに含まれる.

証明. 各対についての総和がだから,定義 14.1.1 の多元接続通信路である.値がの二通りしかないので全点で正でもある.

を計算する.入力の対を固定するとは三つの値を確率0.05でとるから,定義 1.1.1 より,そのエントロピーは対によらず

0.9log0.920.05log0.05=0.9log0.90.1log0.1+0.1=𝐻𝑏(0.1)+0.1

である(を使った).定義 1.2.2 はこれを平均したものだからである.

に移る.は独立だから,のもとでは一様である.が動くと入力の和はの二つの値をそれぞれ確率でとるので,の条件付き分布はその二つの値をそれぞれ確率でとり,残る一つの値を確率でとる.定義 1.1.1 より,そのエントロピーはによらず

20.475log0.4750.05log0.05=0.95log0.950.05log0.05+0.95=𝐻𝑏(0.05)+0.95

である(を使った).よってである.

一つめの量を出す.出力の側をエントロピーの差に開く形(定理 1.4.3)でであり,命題 1.4.2 の対称性より左辺はに等しい.上の二つを引くとで,これが主張の値である.の入れ替えで変わらず,入力分布も同じだから,も同じ値である.

和のほうに移る.が独立な一様分布だから,入力の和は1をそれぞれ確率1/2でとる.よってをそれぞれ確率でとり,を確率でとる.定義 1.1.1 より

𝐻(𝑌)=20.2625log0.26250.475log0.475=𝐻𝑏(0.475)+0.525

である(を使って第 1 項をに直した).定理 1.3.4を,対を 1 つの変数とみなして当てるとだから,これはで,やはり主張の値である.

最後に包含を見る.は全点で正だから 定理 14.2.4 が当たる.五角形は合併に含まれ,定義 14.2.2 で共通部分をとる先の集合はどれも合併を含むから閉凸包も合併を含み,その閉凸包がに含まれる.

数で見ると,1 人ぶんの枠はどちらも約,和の枠は約である.例 14.1.6 の雑音のない加算通信路では1だったから,回に回の化けが三つの枠をこれだけ削ったことになる.和の枠は 1 人ぶんの枠の倍(約)に届いていないので,五角形は辺が潰れておらず,二つの折れ点は約と約にある.一様な入力分布から出るのはこの五角形一つで,を言い当てるには,定理 14.2.5 のとおり入力分布の対すべてにわたる合併の閉凸包をとることになる.

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